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おすぎとピーコ

都市伝説
こんな話があります。
浜ちゃんがまだ小学生だった頃。
浜ちゃんが学校の帰り道、一人で歩いていると、どこからともなく声が聞こえてきました。
「浜田くーん・・・浜田くーん・・・」
その消え入りそうな声が最初、どこから聞こえるか判らず浜ちゃんは怖くなりました。
霊の仕業か、そう思った浜ちゃんは勇気を出して言いました。
「許してください。もうエロ本の切り抜きは集めません」
すると声の主が言います。
「違うんや。助けて欲しいねん。松本です」
「どこにおるんや」
「上や、上」
浜ちゃんが上を見ると、道路脇の木の電信柱の上に松ちゃんが登っていました。
浜ちゃんが言いました。
「何してんねん」
松ちゃんが言います。
「降りられへん」
それが2人が最初に交わした会話でした。
すると、その時、松ちゃんの手が滑り、電信柱に服が引っ掛かった状態で宙吊りになってしまいました。
驚いた浜ちゃんが電信柱を登ろうとすると、足を引っかけるための棒が取れてしまいました。
電信柱に登れなくなってしまったのです。
困った浜ちゃんは、どうにか松ちゃんを助けようと、なんと隣の電信柱に登り、電線を伝って松ちゃんのいる電信柱のほうに向かってきたのです。
しかし、ちょうど浜ちゃんが2本の電信柱の中間あたりに来た頃、松ちゃんはなんと電信柱から下に転落してしまいました。
幸い、服が電信柱の棒に引っ掛かりながら落ちたので、怪我はありませんでした。
松ちゃんは、浜ちゃんにお礼も言わず、そのまま逃げ去りました。
浜ちゃんは、どちらの電信柱にも移動できずにその場に取り残されてしまいました。
まもなく、浜ちゃんは、通りかかった人が救急隊を呼び、無事助けられました。
しかし、すごい人だかりの中で、救急隊員に叱られた浜ちゃんは、困り果てて言いました。
「松本くんが電信柱に引っ掛かってたから助けにいったんです!」
でも、救急隊員は信じてくれません。
その時です、浜ちゃんは、人だかりの中に佇む松ちゃんを見つけたのです!
「あの子です! 松本くんです!」
松ちゃんが救急隊員に呼ばれ、質問されました。
「君が電信柱に登っていたのかね?」
すると、松ちゃんが言いました。
「いいえ、何のことだか」
これを聞いた浜ちゃんは、大泣きしてしまいました。
「嘘や! 松本くん嘘ついてはる!!!」
しかし、浜ちゃんの弁明は受け入れられず、電線を綱渡りした子ということで、怒られもしたし、笑われもした。
浜ちゃんは、大いに傷ついた。
それから、浜ちゃんは、松ちゃんと表面的には、仲良くしたが、復讐の機会を狙っていた。
しかし、そのまま別々の高校に行き、浜ちゃんの復讐心も薄れつつあった。
だが、浜ちゃんは、競艇選手の試験に落ちたことから再びご機嫌を損ねる。
しかも、松ちゃんが印刷工に就職することが決まっていることを知り、激昂。
そこで、浜ちゃんは、松ちゃんを半ば強引に漫才の世界に引っ張り込む。
浜ちゃんの心の中はこうだった。
「一生松本の頭をどついてお金もらう職業につきたかったんや」
松ちゃんは必死にボケ、浜ちゃんは悠然とどつく。
松ちゃんのボケが面白ければ面白いほど、どつく浜ちゃんの気分は良くなる。
そうして、浜ちゃんの復讐心は、再び薄れつつあった。
そして、迎えた「第5回ABCお笑い新人グランプリ」
この本番直前、浜ちゃんは、松ちゃんについに言った。
「俺、お前をどつくために相方に選んだんやで」
すると、松ちゃんは言った。
「知っててん。だから組んだんや」
こうして2人は、最優秀新人賞を受賞。
ここから2人の快進撃が始まった――。


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