となりのトトロ
とうもろこし
となりのトトロは、昭和30年代初めを舞台に、小学6年生のサツキと4歳のメイの姉妹が、お化けのトトロと出会って思いがけない冒険をする、子供とお化けのふれ合いを描いた、お馴染みのアニメーション映画です。
1988年に劇場公開された「となりのトトロ」は、宮崎駿氏の代表作品となり、現在でもスタジオジブリの作品のテロップにはトトロがキャラクターとして使われています。
またビデオ・DVD化されていることや各イベント等での公開をはじめ、地上波でも毎年のように放映されてきたことなどから、日本では幅広い世代から支持されている大人気作品といえます。
ところが、この「となりのトトロ」に沢山の裏話や都市伝説的な噂話があるということを知っていますか?
スタジオジブリの広報室にも、この裏話や都市伝説的な噂話を聞いた、「となりのトトロ」ファンの方達からも、たくさんの問い合わせがあると言います。
トトロというのは死神、冥界への使者であり、トトロに会った人は死が近い、 もしくは既に死んでいるという裏設定があると言われています。
ネットでは次のような裏話が流れています。
「メイが行方不明になって池でサンダルが見つかる騒ぎが途中でありますが、あの時既にメイは池で水死しており、真新しいメイのサンダルを見たサツキが現実を認めたくない気持ちから「メイのじゃない…」とひきつった表情で嘘をついてしまいます。
そしてさつきはメイを探すため、メイがトトロに会ったという場所に行き、「お願い・・・トトロに会わせて!!」「トトロ、メイが迷子になっちゃったの。 探したけど見つからないの。お願い、メイを探して!今頃きっとどこかで泣いてるわ。 どうしたらいいか分からないの!」
「みんなには見えないんだ…」
というセリフから分かるように、さつきは自ら冥界への扉を開け、魂を運ぶ乗り物である猫バスに乗ってメイの元へ向かったのです。」
・・・という話です。そもそもトトロは森に暮らす「所沢のお化け」ですよね。死神とか冥界への死者とか言うと、何かそれだけで怖さがアップするというか…死が近くなった人だけが見えるオバケでもいいような気がします。
物語のなかで母親は結核を患い七国山病院という病院に入院してることになっています。
これは裏話でも何でもないのですが、母親の入院していた七国山病院のモデルとなったのは、八国山病院という実際にあった病院だそうで、昔は末期患者や精神疾患患者を収容する場所だったといわれています。
「となりのトトロ」の舞台になっている1950年頃は、結核が日本人の死亡原因のトップだったのですね。
さらにサツキとメイが母親の大好きなトウモロコシを病院に持っていくシーンでは、母親が 「今、あの木のところで、サツキとメイが笑ったような気がした」と言います。なぜ母親だけに二人の姿が見えた気がしたのでしょうか?また、サツキとメイは近くまできているのにも関わらず、実際には両親に会わずに メッセージ付きのトウモロコシを置いていったのでしょうか?
それは二人が既に死んでいるから…という裏話があります。
確かに母親の言ったセリフは、とても生きている子供達に対して言う言葉ではないよに思えますし、普通、子供が親に心配かけまいと、わざわざメッセージ付きのトウモロコシを置いてく行動も不思議といえば不思議です。
「となりのトトロ」に関する裏話はまだまだあります。
・メイが行方不明になった後から、メイの影がなくなっている。
・最後のシーンでは全員が若返っており、実はあれは後の話ではなく、生前の昔のシーンをくっつけハッピーエンド風に仕立てただけ。
・サツキとメイは本当は途中で亡くなってしまい、 それを父親が想像で生きていたらこうなっていて欲しかった、と書いたのが「となりのトトロ」であり、 作中でずっと書いていたのはその原稿だという説。
などなどです。なかでも興味深い裏話が、60年代に起きた狭山事件との関連性です。「となりのトトロ」の舞台は埼玉県の所沢。この所沢で1963年5月1日、高校1年生の少女を被害者とする、いたたまれない事件が起こりました。それが「狭山事件」です。少女が亡くなった姿で見つかった事件で、姉妹が犯人との交渉に参加していること、狭山事件発生日が5月1日で、サツキ(=皐月)、メイ(=May=五月)ともに5月にちなんだ名前がつけられているなどです。
なかには狭山事件を追悼する意味で創られた寓話が「となりのトトロ」であるという人もいるほどです。
皆さんは「となりのトトロ」に関する裏話を信じますか?なかには「そんなトトロは、トトロじゃない!」と言う人も多いのではないでしょうか?
「サツキとメイに影がない」ことや「トトロは死神でサツキとメイは亡くなっている」という噂について、スタジオジブリが公式ブログで「サツキとメイの影は省略しただけなので、トトロは死神でもないしサツキとメイは亡くなっていない」と書いています。こうした噂話は「となりのトトロ」というあまりに有名な作品から生まれたパロディとしての都市伝説であり、全くの事実無根とのこと…。
これらの話については、2007年5月1日にスタジオジブリ広報部は公式のブログでこれらを否定している。偶然なのでしょうか?このブログが公開されたのも何故か5月1日なんですね。
ところが最近になって「となりのトトロ」には「隣のトトロ」という原作が存在してことが解かってきたのです。この原作こそが、この裏話が単なる都市伝説かどうかを究明するキーワードになっているのです。
「となりのトトロ」には原作があるといいます。原作は「隣のトトロ」という題名で、残念ながら、現在では絶版になっていて入手は困難とのこと…
原作ではトトロも「所沢のお化け」ではなく、死期の近い人間の前にのみ現われる化け物として登場しているそうです。その容姿に関する描写は次にような表現になっているそうです。
「まず感じたのは、胃がひっくり返りそうな程の濃密な獣臭だった。見上げると、そこに夜色の長い毛に全身を覆われた巨獣が居た」
「ずんぐりむっくりの毛むくじゃらで、大きな胴体に見合わず、針金を連想させる細長い手と足が十数本、ねじくれて出鱈目に生えていた」
「顔に当たる部分には目も鼻も耳も無く、顔の三分の一近くを占めるのではないだろうか、側頭部まで裂けた口から、血と腐りかけの魚のような生臭い臭いが漏れていた」
映画に登場するトトロとは全くイメージですね。トトロが死神として裏設定されているという噂は、この原作のイメージが原因なのかもしれませんね。
原作のサツキとメイは母親のわからない、いわゆる「認知されない子供」として生まれ、毎日にように村人から執拗なイジメに逢っていたようです。
サツキとメイは母親は亡くなってしまったという、お父さんの言葉を信じ、3人で暮らしています。お父さんは酒に溺れれサツキとメイに暴力をふるうこともあり、やがてメイは心の病にかかってしまいます。
そんな時、メイは死期の近い者の前にだけ姿を現すという、古い言い伝えの化け物「トトロ」と出会います。それからというものメイは死に魅入られて、死後の世界に思いを馳せるようになるのです。
お父さんも家に空けることが多くなり、お腹の空いたサツキとメイは近所の畑から、お母さんが大好きだったと聞かされていたトウモロコシを盗んでしまうのです。しかし、村人の通報により翌日には二人の犯行がばれてしまいます。
村人の報復を恐れたメイは逃げ出し、滝つぼに出てしまいます。そしてメイは「お母さんに会いに行こう」と笑いながらトウモロコシと一緒に身を投げてしまうのです…。
映画のトトロと比べると、とても悲しいお話です。しかし、当時(1950年代)にしてみたら、トトロと出会うことを除けば、サツキとメイのような境遇は、ごくありふれた日常だったのかもしれません。
行方不明になったメイを探し回るサツキは、川原に流れ着いているメイを見つけます。そして意識の戻らないメイと泣きじゃくるサツキの前にトトロが現れます。
トトロはメイが畑からトウモロコシを盗んだため、地獄へ送られていくことをサツキに伝えます。
サツキはトトロに頼んで、メイの魂を迎えに行く決心をするのです。トトロの影か巨大なネコの化け物が現われ、サツキを丸呑みすると、胃の中でサツキの肉体と魂を分離します。そのままサツキを胃にいれて地獄へ向かうそうです。
原作の後半部分は、メイとサツキが現世へ戻るまでの、地獄巡りの冒険の旅になっているそうです。
やがてサツキとメイは地獄巡りから現世に戻ってきます。しかし、現世の人にはサツキとメイの姿が見えなくなっているのです。トトロは、あの晩にサツキとメイが川原で手を繋いで倒れている姿を映し出します。そこには「おかしいな」と見つめあいながら笑う二人の姿がありました。
原作のラストは「笑いながらそう言った二人の足元、泣き崩れる父の腕の中で二人の遺影は涙に濡れていた。」という一文で締めくくられているそうです。
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