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ドラえもん最終回
植物人間編

それは、子供達が心おどる正月の出来事だった。。。

「のび太さぁ〜ん。羽子板で一緒に遊びましょうよ。」
「うん。やろうやろう。」

しかし、運動音痴なのび太は、あっという間に真っ黒な墨だらけの顔になった。

「よ〜し。今度は負けないぞ。」
「え〜い。」

のび太が打ち上げた羽は、とんでもない方向へ飛んでいき、大きな木のてっぺんに引っかかってしまった。
「ごめ〜ん。僕取ってくるよ。」

「あんな木に昇るとあぶないわ。あきらめましょうよ、のび太さん。」
「だいじょぶだよ。」
そういうと、少しは頼りになる所を見せたかったのか、のび太は大きな木をのぼり始めた。
「のび太さん、降りてきて〜。危なくてみてられないわ〜。。。」

上に昇れば昇るほど、足をかける枝は細くなる。
その時である
バキッ!!!
乾いた枝が折れる音とともにのび太が落ちた。
「きゃ〜ぁぁぁぁぁぁぁ。」
ドスン!
鈍い音がした。

この木はどれぐらいの高さなのだろう。
何メートルあるかはわからないが、のび太としずかにはとても大きな木に見えた。

「のびちゃん!のびちゃん!」
「のび太! おい のび太!」
「のび太くん!のび太くん!」
「のび太さん!のび太さん!」

ここは私立病院。
不幸な事にのび太は頭から落下し、意識を失っていた。
ママ、パパ、ドラえもん、しずかが、涙を流し、必死にのび太に話かけている。
連絡を受け、ジァイアン、スネオも駆けつけた。
「おばさん。のび太はだいじょうぶなんですか?」
「うぅぅぅうぅぅぅ。」
ママはその場に崩れ座り込んだ。

「手術をしなければ、このまま、、、ずぅ〜っと このまま、のびちゃんはこのまま、、、植物人間のようになってしまうんだって。。。」
「じぁあ手術をしてのび太を助けてよ。」

「・・・・・・・。」
「失敗すれば、・・・。」
「失敗すれば、死んじゃうかもしれないの・・・。」
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。」

「おい。ドラえもん!!!!いつものように何とかしろよ!タイムマシンだとかなんかあんだろ!」
「そうだ!そうだ!何とかしろっ!」
「・・できないんだ・・・。」
ドラえもんの脳の中に「生命救助」に関する禁止事項プログラムがある。
そのプログラムの中の111059841行目に、このような命令がある。

*歴史を壊す可能性大。生命を直接的に救助する事を禁ず。

この事実をドラえもんはみんなに告白した。

「この役立たずロボット!」
「お前なんか未来へ帰れ!」
「みんなごめん。。。僕はのび太くんの為に未来から来たのに。。。」

ボカッボカッ!!!
ジァイアンはドラえもんを殴った。

「うぅぅぅぅぅぅぅぅ。ごめん。。。」
ボカッボカッ!!!
今度はドラえもんが自分で自分を

「たけしさん!ドラえもん!もうやめて! 私が悪いのよ。私が一緒に羽子板遊びなんてしなければ。。。」
しずかは自分を責めた。

「いいえ。みんなのせいじゃないわ。。。」
ママの声が、みんなに届いたかどうかは定かではない。
それから1週間。

のび太の意識はいっこうに戻らない。

「先生。手術の成功率はどのくらいなのですか?」
「・・いままでの成功例から言いますと、20パーセント以下です。」
「・・・」
「でも、このまま何もしなければ、のびちゃんは・・・・・・。」

手術をしなければ、のび太は生命すら危険な状態であった。
しかし、手術の成功率は絶望的に低い上、手術にかかる多額の費用も野比家にはあるはずもなかった。

「20パーセントでも、助かる確率があるなら、手術して、のび太くんを助けましょうよ。」
出来杉がママに言った。
「僕、クラスのみんなにカンパを呼びかけます。」
「よし、できすぎ!そうしようぜ。」
ママの目にまた涙がこみ上げた。
しかし、いままでの涙とは違う別の涙だ。
みんなにこんなに愛されているのび太。。。
ママはのび太を産んで本当に良かった。
そう思った。
そう思ったら、涙があふれた。

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